会議の数分前。
資料は開いている。話す順番も、頭では分かっている。
それなのに、Zoomの入室ボタンや会議室のドアの前で、急に言葉が遠くなることがあります。最初に何を言うんだっけ。声はちゃんと出るだろうか。質問されたら、固まらないだろうか。
そんなふうに考えているうちに、胸のあたりが狭くなり、喉の奥が固まり、息が浅くなっている。頭の中だけで準備しようとしているのに、身体はもう本番の緊張に入っている。
身体は、先に守ろうとしている
会議前に頭が真っ白になるのは、意志が弱いからとは限りません。
緊張しているとき、身体は「うまくやらなければ」「失敗してはいけない」という状況を、危険に近いものとして受け取ることがあります。すると、肩が上がる。胸が固まる。吐く息が短くなる。呼吸に気づけなくなる。
その状態で、さらに頭の中だけで言葉を探そうとすると、ますます身体とのつながりが薄くなります。
まず必要なのは、完璧な一言を探すことではなく、話す前に自分の場所へ戻ることかもしれません。
自分を責める前に
「また緊張している」 「こんなことで固まるなんて」 「もっと堂々としないと」
そうやって自分を責めると、身体はさらに守る方向へ入りやすくなります。
会議前の緊張は、消すものというより、まず気づくものです。いま身体が守ろうとしている。そのことに気づけるだけでも、呼吸の入口は少し開きます。
話す前に戻る60秒
会議の前に、長い呼吸法をしなくても大丈夫です。まずは60秒だけ、次の順番で試してみてください。
- 足裏が床に触れている感覚を見る
- 肩を下げようとせず、吐く息だけを少し長くする
- 喉ではなく、胸の前に小さな空間があると想像する
- 最初に言う一文だけを、短く決める
- うまく話すより、最初の息を吐いてから話し始める
深く吸おうとしなくていいです。
緊張しているときに大きく吸おうとすると、かえって胸が詰まることがあります。先に少し吐く。足裏を見る。身体がここにいることを思い出す。それくらいで十分です。
少し深い問い
本当は、会議でどんな状態でいたかったのでしょうか。
完璧に話すこと。 評価されること。 失敗しないこと。
それも大切かもしれません。
でも、その奥に「自分の言葉でそこにいたい」という感覚があるなら、呼吸はその入口になります。成果を出すためだけではなく、自分の感覚を置き去りにしないための入口です。
近い入口
会議前に頭が真っ白になりやすい方は、こちらの入口から読んでみてください。
話す内容がまとまっていなくても大丈夫です。いま一番困っている場面を、5分だけ聞かせてください。