布団に入り、照明を消す。
すると、明日の予定が頭の中で順番待ちを始める。

眠ろうとして呼吸を数えるほど、「まだ眠れない」が気になってくる。スマートフォンで「睡眠 呼吸法」と検索してみても、記事ごとに秒数が違う。どれが正しいのか分からず、かえって目がさえてしまうこともあります。

そんな夜に、ひと息編集部が提案したいのは、眠りを確実にする方法ではありません。

仕事の時間から、眠る時間へ。
その境目に置く、短い呼吸です。

研究から見えるのは「誰にでも効く方法」ではない

日本の睡眠に悩みを持つ成人68人を対象にしたランダム化比較試験では、就寝前に3分間の呼吸リラクゼーションを4週間続けたグループで、本人が評価した睡眠の質に変化が見られました。

一方で、研究の規模は小さく、参加者の95%が女性でした。抱き枕型のデバイスを使った方法で、評価は本人の回答が中心。調査期間も4週間です。

この結果だけで、「誰でも眠れる」「続ければ睡眠が改善する」とは言えません。呼吸そのものだけでなく、仕事から注意が離れたことや、毎晩同じ行動をすることで生まれた区切り、期待などが関わった可能性もあります。

呼吸に伴うHRVなどの変化についても、それだけで「自律神経全体が正常になった」とは判断できません。研究によって対象者や呼吸の方法、測定項目が違うためです。

分かっていることは、まだ限られています。
そのくらいの距離で。

参考:呼吸リラクゼーションと睡眠のランダム化比較試験呼吸エクササイズ研究の系統的レビュー

今夜試すなら、3分だけ

秒数の正解は探さず、一度だけ試してみます。

  1. 眠る直前に、3分のタイマーをかける
  2. 布団の中で、苦しくない自然なペースで呼吸する
  3. 息を操作しすぎず、出入りしていることだけに気づく

大きく吸う必要も、長く吐き切る必要もありません。

考えごとに戻っていたら、気づいたところから呼吸へ意識を戻す。それで十分です。3分が長ければ、途中でやめてもかまいません。息苦しさやめまい、不快感があれば中止してください。

今夜することは、眠れたかどうかを判定することではなく、3分だけ静かに呼吸してみること。それひとつです。

画面の案内と一緒に試したいときは、呼吸法ホームから今の状態に合う入口を選べます。

呼吸法より、医療相談を優先したいサイン

大きないびきが続く。
睡眠中に呼吸が止まっていると指摘された。
日中に強い眠気があり、居眠りをしてしまう。

こうした場合は、寝る前の呼吸だけで対処しようとせず、医療機関への相談を優先してください。睡眠時無呼吸は、肥満でない人にも起こることがあります。呼吸法やサイト内のサービスは、診断や治療の代わりにはなりません。

参考:厚生労働省「健康づくりのための睡眠ガイド2023」

眠れたかどうかを、今夜すぐ採点しなくても大丈夫です。

仕事の続きを考えている頭から、いま布団にいる身体へ。3分の呼吸は、その短い切り替えとして置いておけます。