夜、布団の中で「疲れが取れる呼吸法」を探している。
昼間の眠気は、コーヒーでどうにかつないだ。隣で眠る家族からは、「大きないびきだった」「途中で息が止まっていた」と言われている。
それでも、太っていないから睡眠時無呼吸ではないだろう、と考える。
そんな夜があります。
呼吸を扱う場所だからこそ、何かを始める前に立ち止まりたい場面です。今夜は呼吸法を探し続けるより、先に三つのサインを見てみます。
呼吸法より先に見る、3つのサイン
確認するのは、次の三つです。
- 家族に指摘されるほどの大きないびき
- 睡眠中に呼吸が止まっているという指摘
- 仕事や日常に差し支えるほどの日中の強い眠気
厚生労働省は、ひどいいびきや睡眠中の呼吸停止がある場合、専門の医療機関で検査や治療を受けるよう案内しています。日中の強い眠気も、睡眠時無呼吸でみられる症状の一つです(厚生労働省 e-ヘルスネット)。
一つでも気になるなら、今夜の呼吸法はいったん保留でいい。
代わりに、睡眠について相談できる医療機関を一件だけ調べておく。この記事で提案したいのは、それだけです。
すぐに結論を出すためではなく、相談できる場所を知っておくために。
体型だけでは分けられない
睡眠時無呼吸というと、肥満の人に起こるもの、という印象があるかもしれません。
けれど、背景には顎や顔まわりの形、鼻づまりなどが関係する場合もあります。非肥満の人にも起こりうるため、「太っていないから大丈夫」とは言い切れません(厚生労働省資料)。
一方で、いびきや眠気だけを手がかりに、自分で睡眠時無呼吸だと決めることもできません。判断には、医療機関での評価や検査が必要です。
自分で病名を決めるのではなく、相談するかどうかを選ぶ。そのくらいの置き方がよさそうです。
呼吸法で様子を見る前に
就寝前のゆっくりした呼吸については、短期的な心拍変動や、本人が感じる睡眠の状態を調べた研究があります。
ただ、若い健康な成人20人を対象にした短期試験や、特定の装置を併用した成人68人の試験など、研究の条件は限られています(20人を対象にした試験、68人を対象にした試験)。
ここから「呼吸法で睡眠時無呼吸が改善する」「疲労が回復する」「自律神経全体が整う」とまでは言えません。
家族から呼吸停止を指摘されているとき、呼吸法を試しながら様子を見ることは、医療機関への相談の代わりにはならない。そこは分けて考えたいところです。
警告サインがない夜の、ひと息
三つのサインには当てはまらず、ただ仕事の緊張が残っている。そんな夜なら、自然な呼吸を一度だけ眺めてみる方法があります。
秒数は決めない。無理に深くもしない。吐く息が終わるところまで、静かに待つ。
一呼吸で十分です。
眠らなければ、と頑張らなくてもいい。息苦しさやめまいが出たら、その場でやめてください。呼吸器や心臓などの持病がある場合や、気になる症状が続く場合は、医療専門職へ相談を。
三つのサインがないことを確かめたうえで、自分の呼吸の傾向をもう少し見てみたいときは、呼吸診断へ進めます。
今夜、先に必要なのはセルフケアなのか。それとも、相談先を一件探すことなのか。
呼吸を変える前に、その境目を見ておく。そこからで、まあいいのかもしれません。