朝、目覚ましを止めたのに、体はまだ布団に残っている。
睡眠時間は取ったはず。それでも、休んだ感じがしない。
出勤の支度を始める前から、もう疲れている。
そんな朝、スマートフォンで「腹式呼吸 何分」と調べたくなることがあります。呼吸が浅いせいかもしれない、と。
ただ、急な息切れや呼吸困難、胸を締め付けられるような痛みがあるなら、呼吸法を試す場面ではありません。厚生労働省は、こうした症状を救急車を呼ぶ目安に挙げています。日本国内では、迷う場合も含めて119番を検討してください。
「数分後の緊張」と「翌朝の疲れ」は、別の話
腹式呼吸には、ストレスに関する指標が変化する可能性を示した研究があります。
とはいえ、そのレビューに含まれた研究は3件。方法や期間もそろっていません。一般の人が感じる朝の疲れや睡眠の問題まで、腹式呼吸で解消するとはいえないのが現状です。
呼吸をしたあと、少し緊張がゆるむ。
翌朝の疲れの原因がなくなる。
この二つは、いったん分けて考えたほうがよさそうです。
ひと息編集部では、息の浅さに気づくことを大切にしています。でも、疲れのすべてを呼吸のせいにしないことも、同じくらい大切だと考えています。
今夜は、4つだけ確認する
腹式呼吸を何分するか決める前に、今夜から明日の朝にかけて、次の4つを一度だけ確かめてみてください。
- 強いいびきがある
- 睡眠中に呼吸が止まっていると指摘されたことがある
- 眠っても休んだ感じがしない
- 日中、仕事や運転に差し支えるほど眠い
厚生労働省の睡眠ガイドでは、閉塞性睡眠時無呼吸によって、日中の眠気や睡眠休養感の低下などが現れることがあるとされています。
もちろん、この4つだけで病気かどうかは判断できません。
当てはまる状態が続く。あるいは、日中の生活に影響が出ている。そんなときは呼吸法だけで様子を見続けず、医療機関へ相談してください。
疲れに息切れや動悸などが重なる場合も同じです。この記事は、診断や治療の代わりにはなりません。
まずは、見過ごしていたサインがないか。それくらいの確認から。
当てはまらないときの、ひと息
医療相談を優先したいサインがなく、目の前の緊張に小さな区切りを置きたい。そんなときだけ、次の呼吸を一度試してみてもよさそうです。
息を吸ったあと、苦しくない範囲で、吐く息を少しだけ長くする。これを3呼吸。
秒数をきっちりそろえる必要はありません。
お腹を大きく動かそうとしなくても大丈夫です。
疲労の原因を治すための呼吸ではなく、いま息を急いでいないか、短く確かめるための呼吸です。
苦しさやめまい、痛み、不安の強まりを感じたら、そこで終わりにして普段の呼吸へ戻してください。
もう少し短い案内が必要なときは、レスキュー呼吸へ。
「元気になるため」というより、いまの緊張にひと区切り置きたいときに使ってください。