帰宅して、家族の何気ない一言に強く返してしまう。
Slackの短い確認にも、刺のある文章を返しかける。

少しして、お腹が張っていることに気づく。昨夜はあまり眠れていない。それでも頭に浮かぶのは、「自分は性格が悪いのかもしれない」という言葉です。

そんな夜があります。

けれど、性格という大きな言葉で片づけるには、少し早いのかもしれません。その日に重なっていたことを、いったん別々に見てみます。

気分だけを原因にしない

お腹と脳は、神経系や内分泌系、免疫系などを介して、双方向に情報をやり取りしています。

ストレスが胃腸の状態に影響することがある。その一方で、腹痛や張り、切迫した便意といった不快感が、注意の向け方や感情の反応と重なる可能性もあります。

もちろん、「お腹の調子が悪いから、人にきつくなった」と決めることはできません。腸と気分の関係を扱う研究には、疾患のある人を対象にしたものも多く、結果を誰にでもそのまま当てはめるのは難しいところです。

「すべてストレスのせい」でもなく、「腸を整えれば機嫌もよくなる」とも限らない。

ひと息編集部が大切にしたいのは、原因を急いで一つに絞ることより、同じ日に何が起きていたかを見ることです。

結論は、そのあとでも。

今夜、4項目だけ書く

今夜のメモは、次の4項目だけです。

  • 腹部症状:張り、痛み、便意など
  • 便の状態:便秘、下痢、普段どおりなど
  • 睡眠時間:おおよその時間
  • 気分:イライラ、不安、落ち込み、普段どおりなど

たとえば、こんな一行になります。

張りあり/便秘/睡眠5時間ほど/イライラ

詳しい分析は要りません。まずは一度。それで十分です。

続けられそうなら、1日1回、なるべく同じ時刻に書いてみます。因果関係を自分で診断するためではなく、何が重なりやすいかを眺めるための記録です。受診するときには、症状の経過を伝える材料にもなります。

食事の間隔や月経、緊張する予定など、ほかにも気になることは出てくるかもしれません。ただ、最初から項目を増やすと、書くこと自体が重くなります。

今夜は、4つだけ。

書く前に、息を一度だけ吐く

メモを開いても、気持ちだけが先を急いでいることがあります。

そんなときは、大きく吸おうとしなくてかまいません。苦しくない範囲で、今ある息を一度だけ、少し長めに吐いてみます。

一度で終わりです。

これは、お腹の症状を治すための呼吸ではありません。呼吸法で胃腸症状がよくなるとは一律にいえず、研究結果にも幅があります。

ただ、記録を始める前の小さな区切りにはなります。「いま、お腹はどうだろう」「息を詰めていなかったか」と確かめる。その手前で、いったん。

息苦しさやめまい、痛みの増加などを感じた場合は中止してください。

セルフケアより受診を優先したいサイン

血便や黒い便、原因のわからない体重減少、蒼白さ、腹部の硬い腫れ、長引く症状がある場合は、「ストレスだろう」「過敏性腸症候群かもしれない」と自己判断せず、医療機関へ相談してください。

強い痛みや脱水など、急を要する状態では、地域の救急相談や医療機関を優先します。

オンラインの記事だけで、症状の原因を診断することはできません。

「機嫌を直す」より、事実を一行残す

今夜の目標は、すぐに穏やかな自分へ戻ることではありません。

今日は、お腹の張りと寝不足も重なっていた。

そう一行残せたら、それでいい。

自分を責める言葉を、観察する言葉へ少しだけ置き換える。休むのか、誰かに相談するのか。それは記録を見てから選んでも遅くありません。

今の自分がどんな場面で息を詰めやすいのかも知りたいときは、呼吸診断へ。診断名をつけるものではなく、自分の傾向を見るための入口です。

この読みものは、体調の変化を後回しにしやすいType03や、つらくても先へ進もうとしやすいType01の人にも合うかもしれません。