帰宅して、着替える。
部屋が静かになると、昼間の会話や、まだ返していない連絡が浮かんでくる。
好きな曲でも流そうと、再生ボタンを押す。
けれど、明るい声も速いリズムも、今夜は少ししんどい。元気になるつもりだったのに、音を消したくなる。
そんな夜があります。
好きな曲を楽しめなくても、気分の切り替え方を間違えたわけではなさそうです。
いま受け取れる刺激と、曲の勢いが合っていないだけかもしれません。
「元気がないなら明るい曲」が合わないこともある
音楽を聴くことは、心理的なストレス反応と関係する可能性があります。
ただ、研究によって対象や聴き方は異なり、生理的な反応についても結果は一様ではありません。音楽をかければ疲れが取れる、という単純な話ではないようです。
(音楽介入とストレスに関するメタ分析、音楽・聴覚刺激に関するレビュー)
速い曲は元気。遅い曲は休息。
長調は明るく、短調は暗い。
つい、そう分けたくなります。
けれど、音の受け取り方には、好みや親しみ、そのときの気分、文化的な背景も関わります。同じ曲が、朝には心地よくても、仕事後には刺激の強い音に聞こえることもあります。
ひと息編集部が見つめたいのは、「正しい曲」ではありません。
その曲を聴いたとき、自分の内側で何が起きるか。
まずは、そこから。
今夜は「3曲だけ」で確かめる
今夜試すことは、一つです。
いまの気分から始めて、3曲まで聴いてみます。
1曲目:今の気分から遠すぎない曲
無理に元気を出そうとせず、いまの気分に近い曲を選びます。
暗い曲である必要はありません。
「この音なら、いま聴いても追い立てられない」と思えるものが目安です。
2曲目:少しだけ静かな曲
1曲目を聴けたら、次は刺激が少しだけ弱い曲を選びます。
テンポ、声量、音数、歌詞の強さ。
どれを静かにするかは、その夜の感覚に合わせてかまいません。
大きく気分を変えようとせず、一段だけ移るように。
3曲目:もう一曲か、無音か
ここでは、必ず別の曲を流さなくても大丈夫です。
もう少し聴きたいなら、さらに静かな曲を一つ。
音が多いと感じたなら、再生を止めます。
無音に戻る。それも3曲目の選択です。
この方法は、気分を変える効果が確立された治療法ではありません。
現在の感情に近い音楽を選ぶ傾向があるという研究をもとに、自分の反応を日常のなかで確かめる小さな試みです。
(日常場面の音楽と感情調整に関する研究)
判定は、3択だけでいい
聴いた後は、次のどれかを一つ選びます。
少し楽
変化なし
つらい
「変化なし」でも、曲を追加して何かを起こそうとしなくてかまいません。
「つらい」なら、その場で止めます。
理由を細かく分析する必要もなさそうです。
今夜の自分には、この音が近かったのか、遠かったのか。
それだけ残しておけば。
音を使わないほうがよい夜もある
聴くときは音量を控えめにして、長時間続けないようにします。
大きな音を繰り返し聴くことには、気分の問題とは別に、聴覚へのリスクがあります。
(米国国立聴覚・伝達障害研究所の解説)
特定の曲から、つらい記憶が強く浮かぶとき。
悲しい曲によって、考え込みが深くなるとき。
音そのものが負担に感じられるとき。
そんな夜は、無理に続けなくて大丈夫です。
耳鳴りや聴力の低下、強い不安や落ち込み、不眠などが続く場合は、音楽を医療や専門的な支援の代わりにせず、医療専門職へ相談してください。
音を止めた後に、息へ戻りたくなったら
今夜変えることは、たくさんなくていいのだと思います。
3曲まで試す。
そして、「少し楽・変化なし・つらい」から一つ選ぶ。
今夜の行動は、そこまでです。
音を止めたあと、もう少し静かな時間へ移りたくなったら、呼吸法ホームから、そのとき負担にならない方法を探せます。
この読みものが合いやすいタイプ:Type02。音や刺激を強く感じやすい夜には、Type04の人にも。